大切なご家族を亡くされた後の整理や、引っ越しに伴う片付けは、心身ともに大きな負担となります。そんな時に頼りになるのがハウスクリーニングサービスです。しかし、「一体いくらくらいかかるの?」「適正価格がわからない」といった不安を抱える方も多いでしょう。
この記事では、ハウスクリーニングの最新料金相場から費用を抑える具体的な方法まで、皆様に寄り添いながら詳しく解説いたします。
ハウスクリーニングとは?基本的なサービス内容
ハウスクリーニングとは、プロの清掃技術と専用機材を使って、家全体や特定の箇所を徹底的に清掃するサービスです。市販の洗剤では落とせない頑固な汚れも、専用の薬剤や高圧洗浄機を使って新品同様の状態に仕上げてくれます。
基本的なサービス内容
- 各部屋の清掃(床、壁、天井)
- 水回りの清掃(キッチン、浴室、トイレ、洗面所)
- 窓・ガラス清掃
- 換気扇・エアコン清掃
- ワックスがけ(オプション)
遺品整理や不用品処分の際は、物品の搬出後に徹底的な清掃を行うことで、次の住人が気持ちよく生活できる状態に整えることができます。
【間取り別】ハウスクリーニング料金相場一覧表
料金は主に間取りと**居住状況(空室・入居中)**によって決まります。空室の方が作業効率が良いため、20〜30%程度安く設定されています。
空室時のハウスクリーニング相場
間取り | 料金相場 | 作業時間目安 | 作業人数 |
---|---|---|---|
1R・1K | 15,000〜35,000円 | 2〜4時間 | 1〜2名 |
1DK・1LDK | 20,000〜45,000円 | 3〜5時間 | 2〜3名 |
2DK・2LDK | 30,000〜60,000円 | 4〜6時間 | 2〜3名 |
3DK・3LDK | 40,000〜80,000円 | 5〜7時間 | 3〜4名 |
4DK・4LDK以上 | 60,000〜120,000円 | 6〜8時間 | 3〜5名 |
入居中のハウスクリーニング相場
間取り | 料金相場 | 空室時との差額 |
---|---|---|
1R・1K | 20,000〜45,000円 | +5,000〜10,000円 |
1DK・1LDK | 25,000〜60,000円 | +5,000〜15,000円 |
2DK・2LDK | 40,000〜75,000円 | +10,000〜15,000円 |
3DK・3LDK | 55,000〜100,000円 | +15,000〜20,000円 |
4DK・4LDK以上 | 80,000〜150,000円 | +20,000〜30,000円 |
入居中の場合、家具の移動や養生作業が必要となるため、料金が高くなります。また、作業時間も延びる傾向にあります。
【箇所別】部分清掃の料金相場
お住まい全体ではなく、特定の箇所のみの清掃も可能です。
水回り清掃の相場
清掃箇所 | 料金相場 | 作業内容 |
---|---|---|
キッチン | 15,000〜30,000円 | コンロ、シンク、換気扇、壁面清掃 |
浴室 | 12,000〜20,000円 | 浴槽、壁、天井、排水口清掃 |
トイレ | 8,000〜15,000円 | 便器、床、壁、換気扇清掃 |
洗面所 | 8,000〜12,000円 | 洗面台、鏡、床清掃 |
水回りセット | 35,000〜60,000円 | 上記4箇所の一括清掃 |
その他の清掃箇所
清掃箇所 | 料金相場 | 特記事項 |
---|---|---|
エアコンクリーニング | 8,000〜15,000円/台 | 通常タイプ。自動掃除機能付きは+3,000〜5,000円 |
窓・ガラス清掃 | 1,000〜2,000円/枚 | 内外両面清掃 |
ベランダ・バルコニー | 5,000〜15,000円 | 広さや汚れ具合により変動 |
床ワックスがけ | 500〜1,000円/㎡ | フローリングのみ |
遺品整理時のハウスクリーニング特別料金
遺品整理に伴うハウスクリーニングには、通常の清掃とは異なる特別な配慮が必要です。
遺品整理後クリーニングの相場
間取り | 基本料金 | 特殊清掃が必要な場合 |
---|---|---|
1R・1K | 20,000〜40,000円 | 50,000〜150,000円 |
1DK・1LDK | 30,000〜50,000円 | 80,000〜200,000円 |
2DK・2LDK | 40,000〜70,000円 | 120,000〜300,000円 |
3DK・3LDK | 60,000〜90,000円 | 180,000〜400,000円 |
遺品整理時に必要になることが多いオプション
- 消臭・除菌作業:10,000〜50,000円
- 畳撤去:3,000円/畳
- エアコン取り外し:7,000円/台
- 壁紙張り替え:1,000〜2,500円/㎡
- フローリング修繕:5,000〜15,000円/㎡
ハウスクリーニング料金が変動する6つの要因
同じ間取りでも料金に差が生じる理由を理解しておきましょう。
1. 汚れの程度
軽微な汚れ:相場内での料金 中程度の汚れ:相場+10〜20% 重度の汚れ:相場+30〜50%
長期間掃除をしていない場合や、タバコのヤニ汚れ、ペットの汚れなどがある場合は追加料金が発生することがあります。
2. 建物の種類
マンション・アパート:基本料金 一戸建て:+10〜20%(面積が広いため) 3階建て以上:+20〜30%(搬出作業が困難なため)
3. 立地条件
駐車場あり:基本料金 駐車場なし:+2,000〜5,000円(コインパーキング代) 搬出困難な立地:+5,000〜15,000円
4. 時期による変動
通常期:基本料金 繁忙期(3〜4月、9〜10月):+10〜30% 年末年始:+20〜50%
5. 作業の緊急性
通常スケジュール:基本料金 即日対応:+20〜50% 夜間・早朝作業:+30〜100%
6. オプションサービス
基本清掃のみ:基本料金 除菌・消臭:+5,000〜20,000円 害虫駆除:+10,000〜30,000円 防カビ処理:+5,000〜15,000円
ハウスクリーニング費用を安く抑える8つの方法
少しでも費用を抑えたい方におすすめの方法をご紹介します。
1. 複数業者から相見積もりを取る
最も効果的な方法です。3〜4社から見積もりを取ることで、相場を把握し、価格交渉も可能になります。
見積もり時のポイント
- 同じ条件で依頼する
- 作業内容を詳しく確認する
- 追加料金の有無を確認する
2. 繁忙期を避ける
引っ越しシーズンの3〜4月、9〜10月は料金が高くなります。可能であれば5〜8月、11〜2月の閑散期を狙いましょう。
3. 空室状態で依頼する
入居中より20〜30%安くなります。引っ越し後や遺品整理後のタイミングが最適です。
4. 事前に簡単な清掃を行う
明らかなゴミや不用品を処分しておくことで、作業時間短縮につながり費用削減になります。
5. セットプランを活用する
水回りセットや全室セットなど、複数箇所をまとめて依頼すると単価が安くなります。
6. 地域密着の業者を選ぶ
大手よりも地域の業者の方が移動費用や人件費を抑えられ、良心的な価格設定の場合が多いです。
7. 平日の昼間を選ぶ
土日祝日や夜間は割増料金になることが多いため、平日の昼間を選択しましょう。
8. 定期清掃契約を検討する
継続的に利用予定がある場合、定期契約で単価を下げられることがあります。
信頼できるハウスクリーニング業者の選び方
料金だけでなく、サービスの質も重要です。以下のポイントを確認しましょう。
必須チェックポイント
✓ 損害賠償保険に加入している 作業中の事故や破損に備えて保険に加入している業者を選びましょう。
✓ 明確な料金体系 ホームページに料金が掲載されており、見積もりが詳細で分かりやすい。
✓ 現地見積もりを実施 電話だけでなく、実際に現場を確認してから見積もりを出す業者が安心です。
✓ 口コミ・評判が良い 実際に利用した方の評価を確認し、トラブルがないか確認しましょう。
避けるべき業者の特徴
× 飛び込み営業 突然訪問してくる業者は避けましょう。
× 極端に安い料金 相場より著しく安い場合、後から高額請求される可能性があります。
× 契約を急かす 「今日だけの特価」などと契約を急かす業者は注意が必要です。
× 見積もりが大雑把 詳細な内訳がない見積もりは、後でトラブルの原因になります。
遺品整理との組み合わせで更なる費用削減
遺品整理とハウスクリーニングを同じ業者に依頼することで、トータルコストを抑えられます。
セット料金の例
間取り | 遺品整理単体 | ハウスクリーニング単体 | セット料金 | 削減額 |
---|---|---|---|---|
1R・1K | 30,000〜80,000円 | 20,000〜35,000円 | 40,000〜90,000円 | 10,000〜25,000円 |
2DK・2LDK | 50,000〜120,000円 | 40,000〜60,000円 | 70,000〜150,000円 | 20,000〜30,000円 |
3DK・3LDK | 80,000〜200,000円 | 60,000〜80,000円 | 110,000〜220,000円 | 30,000〜60,000円 |
ワンストップサービスのメリット
- 業者とのやり取りが一度で済む
- スケジュール調整が楽
- 責任の所在が明確
- 作業の連携がスムーズ
よくあるトラブルと対処法
ハウスクリーニングでよく起こるトラブルと、その対処法をご紹介します。
追加料金トラブル
症状:見積もりより高額な請求 対処法:
- 事前に追加料金の条件を書面で確認
- 作業前に再度料金を確認
- 不明な請求には根拠を求める
仕上がりトラブル
症状:清掃が不十分、汚れが残っている 対処法:
- 作業完了前に一緒に確認
- 気になる箇所は遠慮なく指摘
- 保証期間内であれば再清掃を依頼
物品破損トラブル
症状:作業中に家具や設備が破損 対処法:
- 事前に貴重品は移動
- 作業前に既存の傷をチェック
- 保険適用で修理・弁償を求める
地域別料金相場の違い
地域によっても料金相場に差があります。
関東地方
特徴:全国で最も高い水準 1Rの相場:20,000〜40,000円 主な要因:人件費、家賃が高い
関西地方
特徴:関東より10〜15%安い 1Rの相場:18,000〜35,000円 主な要因:競合が多い
中部地方
特徴:全国平均レベル 1Rの相場:15,000〜35,000円 主な要因:バランスの取れた市場
九州・中国・四国地方
特徴:比較的安価 1Rの相場:12,000〜30,000円 主な要因:人件費が安い
北海道・東北地方
特徴:冬期は高くなる傾向 1Rの相場:15,000〜35,000円 主な要因:季節変動が大きい
賃貸物件でのハウスクリーニング注意点
賃貸物件では特別な注意が必要です。
入居時のクリーニング
一般的なケース:大家負担 特約がある場合:入居者負担 相場:家賃の0.5〜1ヶ月分
退去時のクリーニング
原状回復の範囲:通常使用による汚れは大家負担 故意・過失の汚れ:入居者負担 トラブル回避:入居時に特約の内容を確認
契約書の確認ポイント
- ハウスクリーニング特約の有無
- 負担者の明記
- 料金の上限設定
- 業者指定の有無
2025年のハウスクリーニング市場動向
最新の市場動向も把握しておきましょう。
料金トレンド
人件費上昇:+5〜10%/年 資材費上昇:+3〜8%/年 技術向上:作業時間短縮で実質負担減
サービスの進化
エコ洗剤の普及:環境に配慮した清掃 IoT技術の活用:効率的な作業管理 専門技術の向上:より高品質な仕上がり
市場の変化
需要増加:高齢化社会の影響 競争激化:参入業者の増加 サービス多様化:様々なニーズに対応
まとめ:適正価格でハウスクリーニングを依頼するために
ハウスクリーニングの相場は、間取りや条件によって大きく異なりますが、適正価格を知ることで、安心してサービスを利用できます。
重要なポイント
- 相場を把握する:本記事の料金表を参考に相場感を身につける
- 複数業者で比較:必ず3社以上から見積もりを取る
- 条件を明確にする:作業内容や追加料金について事前確認
- 信頼できる業者選び:料金だけでなくサービス品質も重視
- 時期を考慮する:可能であれば閑散期に依頼
大切なご家族を亡くされた後の整理は、心の負担も大きいものです。信頼できる業者に適正価格で依頼することで、少しでもその負担を軽減していただければと思います。
ハウスクリーニングを通じて、新しいスタートを気持ちよく切れるよう、この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。何かご不明な点がございましたら、お気軽に専門業者にご相談ください。きっと親身になって対応してくれるはずです。
本記事の料金相場は2025年3月時点の情報です。実際の料金は業者や地域により異なりますので、必ず複数業者から見積もりを取得してご検討ください。