大切な方を亡くされ、実家の整理や一軒家の片付けに直面されているあなたへ。突然の出来事で気持ちの整理もつかない中、費用のことを考えるのは心苦しいかもしれません。しかし、適正な価格を知ることで、安心して業者に依頼できるはずです。
この記事では、一軒家の片付け費用の相場から費用を抑える方法まで、分かりやすく解説いたします。あなたの大切な思い出を丁寧に整理できるよう、お手伝いさせていただきます。
一軒家の片付け費用相場一覧表【間取り別】
まずは、多くの方が最も気になる費用相場を間取り別にご紹介します。実際の利用者データに基づいた信頼性の高い数値です。
| 間取り | 費用相場 | 作業人数 | 作業時間 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 1R・1K | 3万円～8万円 | 1～2名 | 1～2時間 | 単身者・一部屋のみ |
| 1DK | 5万円～12万円 | 2～3名 | 2～4時間 | 小規模アパート相当 |
| 1LDK | 7万円～20万円 | 2～4名 | 2～6時間 | 夫婦向けサイズ |
| 2DK | 9万円～25万円 | 2～5名 | 2～6時間 | 小家族向け |
| 2LDK | 12万円～30万円 | 3～6名 | 3～8時間 | 都市部の一軒家 |
| 3DK | 15万円～40万円 | 3～7名 | 4～10時間 | 標準的な一軒家 |
| 3LDK | 17万円～50万円 | 4～8名 | 5～12時間 | 一軒家の平均間取り |
| 4LDK | 22万円～70万円 | 4～8名 | 6～12時間 | 大家族向け |
| 5LDK以上 | 27万円～85万円 | 5～10名 | 8～15時間 | 大型住宅・二世帯住宅 |
※みんなの遺品整理に掲載されている800社以上の業者のホームページ、3万人以上の実際に利用した金額データから算出
一軒家の平均的な費用目安
一軒家の間取りは「3LDKがもっとも平均的」とされ、全国平均で約19万円が相場となっています。ただし、実際の費用は物量や家の状態によって大きく変動することを覚えておきましょう。
一軒家の片付け費用を決める7つの要因
1. 物量・荷物の量
最も費用に影響する要因です。同じ間取りでも、物が少ない家と物で溢れている家では、費用が2～3倍変わることもあります。
費用が高くなるケース
- 各部屋に荷物が天井近くまで積まれている
- 収納スペースから物が溢れ出している
- ゴミ屋敷化していて仕分けに時間がかかる場合
2. 家の立地・アクセス条件
作業のしやすさが費用に大きく影響します。
費用が高くなる条件
- 山間部や細い道で大型トラックが入れない
- 家の前に駐車スペースがない
- 大きなトラックで行きづらい場所や、家の近くに駐車できない環境
費用が安くなる条件
- 平屋の場合は階段作業がないため、3階建ての一軒家より費用が安くなる
- 玄関からトラックまでの距離が近い
- 敷地内に駐車できる庭や駐車場がある
3. 家屋の状態・清掃レベル
家の汚れ具合や臭いの有無も重要な要因です。
追加費用が発生するケース
- 特殊清掃が必要な状態
- カビや異臭が発生している
- 害虫が大量発生している
- 水回りの破損や漏水がある
4. 処分品の種類
処分するものの種類によって、費用が変わります。
処分費用が高いもの
- 家電リサイクル法対象品（冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン）
- ピアノなどの大型楽器
- 仏壇・仏具
- 消火器、ガスボンベなどの危険物
5. 作業の緊急度
急ぎの作業ほど費用が高くなる傾向があります。
- 即日対応：通常料金の1.5～2倍
- 週末・祝日作業：割増料金
- 「一週間以内に片付けなくてはならない」と緊急事態になる場合
6. 地域差
都市部と地方で料金差があります。
都市部（東京・大阪・名古屋等）
- 人件費が高い分、基本料金も高め
- ただし業者が多く、価格競争で安くなる場合も
地方部
- 基本料金は安め
- ただし業者が少なく、選択肢が限られる
7. オプションサービス
基本料金に含まれない追加サービスの有無。
主なオプション
- ハウスクリーニング：5万円～15万円
- 不用品買取サービス：査定・買取額を差し引き
- 供養・お焚き上げ：1万円～3万円
- 遺品の仕分け・梱包：時給制または物量制
一軒家の片付け費用を安く抑える6つの方法
1. 複数業者から相見積もりを取る
相見積もりを取ることで料金を抑えられることがあります。料金を比較し、相場を知ることで、高額な料金を請求する悪徳業者に引っかかるリスクを減らせるでしょう。
相見積もりのポイント
- 最低3社から見積もりを取る
- 同じ条件で比較する
- 極端に安い業者は要注意
- サービス内容も合わせて検討
2. 事前に自分で処分できるものを減らす
自分で処分できるものはできるだけ捨てておくことで、業者に依頼する際の費用を抑えられます。
自分で処分できるもの
- 燃えるゴミ（衣類、書類、小物など）
- 資源ごみ（ペットボトル、缶、段ボールなど）
- 粗大ごみ（自治体の回収サービス利用）
業者依頼が必要なもの
- 家電リサイクル法対象品
- 大型家具
- 危険物・処理困難物
3. 買取サービスを活用する
片付け業者に買い取ってもらえる不用品がある場合、査定金額を作業料金から差し引いてくれるので、結果的に費用を抑えられます。
買取対象になりやすいもの
- ブランド品・貴金属
- 骨董品・美術品
- 着物・和服
- 楽器・オーディオ機器
- 家電（製造から5年以内）
4. 繁忙期を避ける
需要の高い時期を避けることで、費用を抑えられます。
繁忙期（料金が高くなりがち）
- 3月～4月（引越しシーズン）
- 年末年始
- ゴールデンウィーク
- お盆期間
5. 作業範囲を明確にする
本当に必要な部分だけを依頼することで、無駄な費用を削減できます。
効率的な依頼方法
- 一部屋ずつ段階的に依頼
- 自分でできる部分は自分で行う
- 急がない部分は後回しにする
6. 地域密着型の業者を選ぶ
大手よりも地域の業者の方が、移動費や広告費が少なく、その分料金が安い場合があります。
悪徳業者を避けるための注意点
危険な業者の特徴
「お得な定額パック」「全て込み込みの料金」、「定額パック料金に全て含まれている」などの文言で集客し、後から追加請求を行う悪徳業者は少なくありません。
要注意のサイン
- 極端に安い料金提示
- 訪問営業や電話営業
- 見積もりを嫌がる
- 会社の所在地が不明確
- 一般廃棄物収集運搬業の許可がない
安心できる業者の選び方
確認すべきポイント
- 一般廃棄物収集運搬業許可の有無
- 遺品整理士認定協会の認定業者
- 明確な料金体系の提示
- 保険加入の有無
- 実際の利用者の口コミ
一軒家片付けの実際の事例
事例1：3DK戸建て（埼玉県）
- 費用：19万円
- 作業時間：1日（8時間）
- 作業人数：4名
- 内容：遺品整理・樹木伐採込み
事例2：4LDK戸建て（兵庫県）
- 費用：22万円 – 3.5万円（買取額）= 18.5万円
- 作業時間：6時間
- 作業人数：5名
- 内容：空き家の片付け・不用品回収
事例3：4LDK + プレハブ（滋賀県）
- 費用：33.6万円
- 作業時間：5時間
- 作業人数：8名
- 内容：二階建て住宅まるごと片付け
自分で片付けるVS業者依頼の比較
自分で片付ける場合
メリット
- 費用を大幅に削減できる
- 思い出の品をゆっくり整理できる
- 自分のペースで進められる
デメリット
- 非常に長期間かかる（数ヶ月～1年以上）
- 体力的・精神的負担が大きい
- 大型家具・家電の処分が困難
- 分別作業が複雑
自力片付けに向いている人
- 時間に余裕がある
- 体力に自信がある
- 家族で協力できる
- 費用を最重視したい
業者に依頼する場合
メリット
- 短時間で片付く
- 専門知識で適切に処分
- 重い物の運搬も安心
- 分別・処分も全て対応
デメリット
- ある程度の費用がかかる
- 思い出の品の確認時間が限られる
- 業者選びが必要
業者依頼に向いている人
- 早急に片付けたい
- 遠方に住んでいる
- 体力的に厳しい
- 確実性を重視したい
よくある質問と回答
Q1. 見積もりは有料ですか？
A1. ほとんどの業者で訪問見積もりは無料です。ただし、あまりにも遠方の場合は出張費がかかる場合があります。
Q2. 支払い方法は？
A2. 現金払いが一般的ですが、最近はクレジットカードや分割払いに対応している業者も増えています。
Q3. 作業当日の立ち会いは必要？
A3. 基本的に立ち会いが必要です。貴重品や思い出の品の確認、作業範囲の最終確認のためです。
Q4. 雨の日でも作業してもらえる？
A4. 小雨程度なら作業可能ですが、大雨や台風の場合は延期になることがあります。
Q5. 近隣への迷惑が心配です
A5. 優良業者なら近隣への配慮も含めて作業します。事前に近隣への挨拶をしてくれる業者もあります。
地域別の費用相場目安
首都圏（東京・神奈川・埼玉・千葉）
3LDK相場：18万円～55万円
- 人件費が高い分、基本料金も高め
- 業者選択肢が多く、競争により安くなる場合も
関西圏（大阪・京都・兵庫・奈良）
3LDK相場：16万円～50万円
- 首都圏よりやや安め
- 業者数も多く選択肢豊富
中部地方（愛知・岐阜・三重・静岡）
3LDK相場：15万円～45万円
- 全国平均程度の料金水準
その他地方
3LDK相場：14万円～40万円
- 人件費が安い分、基本料金も安め
- ただし業者数が少ない場合も
まとめ：安心して依頼するために
一軒家の片付け費用は、間取りや物量、立地条件によって大きく変動しますが、3LDKで約19万円が全国平均の目安となります。
費用を抑えるポイント
- 複数業者から相見積もりを取る
- 事前に自分でできることは済ませておく
- 買取サービスを活用する
- 繁忙期を避ける
- 信頼できる業者を選ぶ
大切なのは、単純に安さだけで選ぶのではなく、サービス内容と料金のバランスを見極めることです。悲しみの中での片付け作業ですが、信頼できる業者と出会えれば、故人への想いを大切にしながら、安心して整理を進めることができるでしょう。
あなたの大切な思い出が、適切に整理・処分されることを心よりお祈りしております。不明な点がありましたら、遠慮なく複数の業者に相談し、納得のいく形で進めてください。
この記事は、遺品整理や片付けに関する最新のデータと実際の利用者の声をもとに作成しました。料金は地域や時期により変動する可能性があります。実際の依頼前には、必ず複数の業者から見積もりを取得することをおすすめします。
